第51話 大淫婦
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週刊「帰還限界点 連載小説」
☆============================= 第51号 (2009/02/12)=====
『三人』(第八話 -6- 大淫婦)
「主任!つ、通信です。
藤守まりあがコンタクトしてきました!」
DWナビゲーションルームに戦慄が走る。
皆が立ち直るよりはやくディスプレイが揺らぎ、天を仰ぎ見
る藤守まりあが映し出された。一糸纏わぬその姿は、未成熟だ
が緩やかな曲線を描いており、肉体そのものは十代のそれであ
った。しかしその未完の女体に人とは思えぬほどの艶やかさを
同居させ、透き通るまでに蒼い躯をしならせていた。
「見えているんでしょう?
ふふ……この世界でのサタンの卵はここ……」
天を仰いだその手にはA‐Osが握られていた。
それを見た新堂は一瞬苦虫を噛み潰した表情を見せる。
『くっ……神曲達は間に合わなかったか……』
悪戯っぽい笑みを天に向け、まりあはゆっくりとA‐Osを
握った手を下腹部におろしていった。一瞬ぴくんと躯を痙攣さ
せると同時に、天使の卵は胎内に飲み込まれ、人の卵と交わっ
た。
「……んっ……」
まりあに痛みは無かった。むしろチリチリとしたかすかな刺
激は心地よく、まりあの肢体を脱力させ、その場に跪かせた。
まりあの頬は紅潮し始め、瞳は虚ろとなっていたが、再び天を
仰いでいた。
「……い、今なら私達を倒せるわよ。
どんな英雄でも、エクスタシーを感じ……る、瞬間が最も無
防備になる瞬間……なんだから……」
しかし新堂らに行える手段が無く、まりあの行動と言質は最
大限の皮肉を孕んでいた。
「……ぁんっっ……」
一瞬の喘ぎの後、大きな波がまりあに押し寄せ、飲み込まれ
た。まりあ自身も自分で信じられないくらいに大きな嬌声をあ
げていた。
ビクンビクンと小刻みに肢体を震わせ、まりあはうずくまっ
ていた。その身体に異変が現れたのは間隔の広がった痙攣が消
えかけたその瞬間であった。
大きくビクンと震わせたかと思うと、その身体は大地の鎖を
断ち切られ、何の支えもなく宙に浮いていた。蒼い肢体は光に
包まれ、右太股の内側に刻まれた紅い痣は蛇が地を這うように
全身に広がっていった。
そして、再び地に降り立ったとき、まりあは人の身からリリ
スへと変貌していた。
「ふふ……」
瞳から漏れる艶やかな光は、新堂らを挑発しているかのよう
であった。いや、実際そうであった。
「待っていなさい。今から〈そっち〉に行くわ……」
言い切るやいなや、ディスプレイは再びゆらぎ、落ち着いた
時には、そこにまりあの姿はなかった。
サタン降臨の儀式が第二段階に移行した瞬間であった。
ダンッッ!
端正な顔を苦々しく歪めた新堂は、握った拳を感情のおもむく
ままディスプレイに叩きつけていた。
おそらく、あずみと石崎以外ははじめて見ただろう、新堂の感
情的なその姿を見、いよいよ最悪のシナリオが動き出したのを
感じていた。
(つづく)
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☆参考文献==============================================
八百万の神々―日本の神霊たちのプロフィール 戸部 民夫
価格:¥ 1,995(定価:¥ 1,995)
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複数の著者が同一の世界設定や登場人物を共有して創作する作
品群となっています。
ですが、若干のルールはあります。
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ください。
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雨宮瞬壱
メールアドレス: kagura-info@r6.dion.ne.jp
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であった。いや、実際そうであった。
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時には、そこにまりあの姿はなかった。
サタン降臨の儀式が第二段階に移行した瞬間であった。
ダンッッ!
端正な顔を苦々しく歪めた新堂は、握った拳を感情のおもむく
ままディスプレイに叩きつけていた。
おそらく、あずみと石崎以外ははじめて見ただろう、新堂の感
情的なその姿を見、いよいよ最悪のシナリオが動き出したのを
感じていた。
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