第47話 動
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週刊「帰還限界点 連載小説」
☆============================= 第47号 (2009/02/08)=====
『三人』(第八話 -2- 動)
「では具体的な話しにうつろう。」
新堂が皆に声をかけた時、DWナビゲーションルームの自動
ドアが音も無く開いた。
「う~す……」
眠そうな、と言う表現があまりにもぴったりとしている声で
挨拶してきたのは、石崎直。DW課開設当初からのスタッフの
一人にして、遅刻魔人。重役……いや社長出勤すら通り越し、
会長出勤かはたまた王様出勤と言った事はざらであった。それ
でいて新堂の幼馴染と言うのだから始末が悪い。倉本奈那美の
ストレスの種二号である。
「石崎さん!
貴方今何時だと思っているんですか!
そもそも、昨日は何をしていたんですか!
昨日も出勤の予定だった筈ですよ!」
奈那美のヒステリックな声が石崎の脳髄に直撃し、ただでさ
えいつも不機嫌そうな表情で美形を損ねている石崎の表情を、
更に険悪なものとさせた。
「うっせ~な、新作のRPGを早解きしてたらちょっと遅くな
っただけだ!
剣聖技次元反転分離攻撃を会得する条件が解りづらいのが悪
いんだ!」
言い切る石崎に皆一様に『またか……』と思い、同時に深い
溜め息が漏れたのは言うまでも無い。しかし奈那美は溜め息ど
ころか鼻息を荒くして石崎に食って掛かろうとした。
「あなたはっ……」
刹那、新堂の声で遮られる。
「〈サキ〉、出来たのか?」
〈サキ〉と石崎を綽名で呼んだ新堂は、確認の問いをした。
それに無言で手を振り、石崎は応える。よし、と一声おくと、
新堂は弾かれた様に全員に指示を出し始める。
「まず、凪喪君は〈A‐0s〉の確保を急げ。手段は選ぶな。
二人は真枝に任せておけ。
妙崎君はシステムチェックだ。今後こちらでダウンロード、
アップロードが可能かがポイントになる。必要なら書き換えて
も構わない。
倉本君は〈房森陽洸〉、〈QZL-BMWL〉の状況確認。
東城君は〈乙夏=モード二ス〉、〈湊七月〉の状態確認。
サキは〈伊達甲斐造〉の状況確認。
あずみは全員分の〈対E‐9装備〉を準備。その後休暇中の
宍戸君と工藤君にE‐9発動の連絡。外部……いや内部に漏れ
ないよう〈アナログ回線〉で行え。」
皆軽快に、しかし疑問を胸に残したまま〈はい〉と返事をし、
キーボードをリズミカルニ叩き始めた。しかし、最後のあずみ
への指示を聞いて皆は完全に手が止まってしまう。唯一人、サ
キを残して……
「E‐9装備だって?そんな特殊装備を何に使うってんだ!」
食って掛かる東城は完全に声が裏返っていた。
E‐9……つまり、EMERGENCY‐LEVEL9。敵
対勢力による施設占拠を意味しているコードだ。今現在、施設
占拠されているわけではない。強いて挙げるなら藤守ミサヲに
よるハッキングが行われ、メインコンピューター〈ミカエル〉
に侵入された事から、〈E‐6〉がいいところだ。しかし何故
かそれすら発動されていないのだ。現状でのこのコードの発令
がされると言う事に皆は困惑するばかりであった。
「おそらく……」
新堂は慌てふためくメンバーとは対照的に、穏やかな口調で
語りだした。いや、それは正確ではない。それは驚くほどに冷
静な口調だったのだ。
「このプログラムをDWにアップロードした時点で、我々はPP
T社の……いや、〈セブン・ストレータル・ヘヴン〉の敵とな
る。〈A‐3〉シリーズが我々を抹殺しに押し寄せるだろう。」
この時、話しはキャパシティを超え、誰もが完全に思考と動
作が完全に停止した。
そして語られたのだ。具体的な話しが……
(つづく)
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〈石崎直〉〈対E‐9装備〉〈E‐9〉
〈アナログ回線〉〈剣聖技次元反転分離攻撃〉〈ミカエル〉
〈セブン・ストレータル・ヘヴン〉
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八百万の神々―日本の神霊たちのプロフィール 戸部 民夫
価格:¥ 1,995(定価:¥ 1,995)
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でいて新堂の幼馴染と言うのだから始末が悪い。倉本奈那美の
ストレスの種二号である。
「石崎さん!
貴方今何時だと思っているんですか!
そもそも、昨日は何をしていたんですか!
昨日も出勤の予定だった筈ですよ!」
奈那美のヒステリックな声が石崎の脳髄に直撃し、ただでさ
えいつも不機嫌そうな表情で美形を損ねている石崎の表情を、
更に険悪なものとさせた。
「うっせ~な、新作のRPGを早解きしてたらちょっと遅くな
っただけだ!
剣聖技次元反転分離攻撃を会得する条件が解りづらいのが悪
いんだ!」
言い切る石崎に皆一様に『またか……』と思い、同時に深い
溜め息が漏れたのは言うまでも無い。しかし奈那美は溜め息ど
ころか鼻息を荒くして石崎に食って掛かろうとした。
「あなたはっ……」
刹那、新堂の声で遮られる。
「〈サキ〉、出来たのか?」
〈サキ〉と石崎を綽名で呼んだ新堂は、確認の問いをした。
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占拠されているわけではない。強いて挙げるなら藤守ミサヲに
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かそれすら発動されていないのだ。現状でのこのコードの発令
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語りだした。いや、それは正確ではない。それは驚くほどに冷
静な口調だったのだ。
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T社の……いや、〈セブン・ストレータル・ヘヴン〉の敵とな
る。〈A‐3〉シリーズが我々を抹殺しに押し寄せるだろう。」
この時、話しはキャパシティを超え、誰もが完全に思考と動
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(つづく)
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