第35号 壊
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週刊「帰還限界点 連載小説」
☆============================= 第35号 (2009/01/09)=====
『夜明け前』(第六話 -11- 壊)
そして。
七月が目的地に着いた時には。
マリアの片腕を掴んだまま力尽きそうになっているリンと、
それを冷めた表情で見ているマリアの姿があった。
「彼女……よく頑張ってくれたけど、そろそろ活動限界のよう
ね」
体の至るところから、機械がショートするような音と、白い
煙を上げているリンの姿を、七月はもう、直視することが出来
なかった。
「七月……私の責務は果たしました。彼女を、乙夏さんのとこ
ろへ連れて行って下さい」
「分かった……有難う……有難うね、リン」
涙目になりながら、リンをマリアから引き離し、替わりに自
分がマリアの腕を思いきり掴んだ。
「さぁ、大人しく私と一緒に来てもらいましょうか」
七月の厳しい表情と、自分の手を掴む強さに、マリアは驚い
たような顔をして、黙ってしまった。
「七月……名前……つけてくれて有難う……」
「リン、喋らないで……大丈夫だから!
……ねぇ、もういいでしょう!?
リンを、回収してあげて!このままじゃ可哀想よ!」
『………』
リンの傷ましい姿を見たあずみ達も、言葉が出なかった。
『分かった、回収するよ』
小さくそれだけ言って、あずみはキーボードに向かい、何や
ら打ち込みだした……のだが。
突然、大きな警告音とともに、画面が赤く点滅しはじめた。
「な、何!?」
〈システムエラーです。
このプログラムは、不正なものとしてリジェクトされました〉
無機質な音声が大音響で流れる。
「や、やばいよ~~!!
これじゃ真たちにばれちゃうよ~!!
たっく~ん、どうしよ~!?」
「……自分で撒いた種じゃないですか」
慌てうろたえるあずみに、しれっとして答える建。
「おそらく、回収不能ってことでしょうね」
慌てふためくあずみに、さらに追い討ちをかけるように、不
幸は続く。
ナビゲーションルームの異常に気付いた新堂が、
「何事だ!?」
と駆けつけてきてしまったのだ。
「………」
何て言い訳しよう……と、あずみはクビ覚悟で新堂の前に立
つのだった。
「リン……」
〈回収不能〉となってしまったリンは、ついに力尽き、瞳の赤
い光すら失った。
体の全ての機能が停止し、ただの〈人形〉と化したリンのボ
ディはその場に崩れ落ちる。
涙をぼろぼろ流しながら、リンの〈最期〉を看取った七月は、
それ以上何も言わず、藤守マリアを引っ張って、乙夏のいる倉
庫へと歩き出した。マリアは、険しい表情を崩さない七月に、
これ以上抵抗は出来ないな、と思ったのか、七月に引っ張られ
るままに歩き出す。
気が付くと、東の空がうっすらと明るみはじめていた。
また、〈不安な一日〉が、幕を開ける……
(第六話 夜明け前 了)
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八百万の神々―日本の神霊たちのプロフィール 戸部 民夫
価格:¥ 1,995(定価:¥ 1,995)
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複数の著者が同一の世界設定や登場人物を共有して創作する作
品群となっています。
ですが、若干のルールはあります。
公式ホームページでも詳細を説明しておりますので、是非ご覧
ください。
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雨宮瞬壱
メールアドレス: kagura-info@r6.dion.ne.jp
ウェブサイト: http://otjyuku.net/pon/
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発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/
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涙をぼろぼろ流しながら、リンの〈最期〉を看取った七月は、
それ以上何も言わず、藤守マリアを引っ張って、乙夏のいる倉
庫へと歩き出した。マリアは、険しい表情を崩さない七月に、
これ以上抵抗は出来ないな、と思ったのか、七月に引っ張られ
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