第15号 『危険な狂戦士』狂戦士
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週刊「帰還限界点 連載小説」
☆============================= 第15号 (2008/11/03)=====
『危険な狂戦士』(第3話 -4- 狂戦士)
そして…
陽洸の乗った自動車はもう既に病院の敷地を出ていた。
その十数分後、乙夏も病院を後にしていた。
神代高の前の道路……
ここに一人……正確に言えば、〈一体〉だろうか……の生命
体が腰を下ろしていた。彼は何かを待っているようであった。
其が何かは、その数秒後に分かる……
彼は何かを呟いていた。
「ΣΩξφЮ1……」
其が何かは誰にも分からない……分かるのは、其を呟いてい
る本人だけであろう……
そして……そこに一台の車が走ってきた。その車に乗ってい
たのは二人……
房森 陽洸とQZL‐BMWL……
座っていた生命体はいきなり飛び出した!
『!』
陽洸はおもいっきりハンドルを切った!
しかし、車は確実にガードレールにぶつかると言うところま
で来ていた。
「危ない!」と感じたとき、二人を守った生命体が……
「?」
陽洸は車を下りた。生命体はQZL‐BMWLを睨んでいた。
陽洸が其に気付いたときはもう生命体の槍がQZL‐BMW
Lの腹部を貫いていた。
「うっ!!!」
彼女は力なくその場に倒れた。
「おい!QZL!しっかりしろ!」
陽洸が必死に呼びかけていたが、QZLは腹部を押さえたま
ま何も言わなかった……と言うより、言えなかった、と言った
ほうが適当であろうか。
必死で呼びかけている陽洸に生命体が近づいてきた!
彼は手を伸ばした。その手は陽洸の首筋を捕えた。
「くっ!!!」
陽洸は苦しみながら銃に手を伸ばした。だがその銃は生命体
によって使い物にならない鉄の塊に姿を変えられてしまった。
彼の意識が薄れていく時、彼の脳裏に何ものかの声がした。
『しっかりしなさいよ陽洸君!』
『だっ、誰だ!』
『私は倉本奈那美、このゲームのナビゲーターなの!とにかく
しっかりしなさいよ!QZLさんが危いでしょ!』
『でも、俺は……もう……』
『自惚れてんじゃ無いわよ!この意気地無し!
とっととQZLさんを助けたらどうなの!』
『だ、だって……』
『だってじゃない!
自分の命よりその娘の命を心配したらどうなの!
あんたの命より彼女の命のほうが大事なの!!』
『そこまで言うか!畜生!殺ってやらあ!』
二人の頭の中での会話が済むと、なぜか突然、首にかかって
いた圧力が消えていった……
陽洸は眼を開けた!
「うらっ!!」
気合いと共に陽洸は生命体の顔面をおもいっきり蹴り飛ばし
た!しかし、いかにも鉄を叩いた様な嫌な音がしたかと思うと、
生命体は彼を学校の塀に向かって投げつけた!
「!!」
彼は其から、立ち上がることが出来なかった。
呼吸が思うように出来ない……
「……はっ! ……くは……こ……」
彼は動けないばかりか、呼吸すら儘ならない状態まで来てい
た。喉がヒュウヒュウ鳴っているのが自分にも感じ取ることが
出来た。
そんな中、生命体はQZLに近づいていった。陽洸は其を見
ると、
「止め……ろ……
QZL……ら……なれろ!」
彼はよろめきながら生命体に近づき、生命体にしがみついた。
「止めろ!」
だが生命体は陽洸には眼も繰れず、QZLの首に手を伸ばし
た。
「……めろ……やめてく……」
陽洸が哀願したにもかかわらず、生命体はQZLの首を絞め
始めた。
「……めろ……止めろっ言ってんだろうがよ!」
陽洸は自分の骨が唸りを上げているのを感じながら生命体の
腰に腕を回した。生命体が振り払おうとしたその刹那!
「!」
陽洸が苦し紛れに見様見真似でやったバックドロップが生命
体の頭を完全に砕いた!
そして二人は共に果てた。
その時、陽洸は或ることに気付いた。
……QZL……
彼女のほうを見た。彼女は寸分も動かずに大破した車の脇に
倒れていた。
「QZL……!」
彼はQZLに近寄り、必死に呼びかけた。しかし、QZLは
眼を開けなかった。仕方なく陽洸は最寄りの医大へ行くことに
した。車を破壊されていたので、QZLを背負ってだが……
(つづく)
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彼は何かを呟いていた。
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そして……そこに一台の車が走ってきた。その車に乗ってい
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『!』
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「?」
陽洸は車を下りた。生命体はQZL‐BMWLを睨んでいた。
陽洸が其に気付いたときはもう生命体の槍がQZL‐BMW
Lの腹部を貫いていた。
「うっ!!!」
彼女は力なくその場に倒れた。
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陽洸が必死に呼びかけていたが、QZLは腹部を押さえたま
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ほうが適当であろうか。
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彼は手を伸ばした。その手は陽洸の首筋を捕えた。
「くっ!!!」
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によって使い物にならない鉄の塊に姿を変えられてしまった。
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QZL……ら……なれろ!」
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