【作業療法塾】塾長の日常や医療に対する想い、文献の紹介をします。

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第210回 エア・マスター

エア・マスター

■今日のフィードバック

エア・マスター……

この言葉を聞いただけではいまいちピンとこない方もいるでしょう。

えぇ、でも、直訳でいいですよ。

空気の支配者……かな?

支配者っていうと少し表現が強い気がしてきますね。

名人や達人の方がいいかしら。

ま、どれにしても意味は通じてきますし、和訳したおかげで雰囲気が伝わってきたかと思います。

そう、今回のお話しは、場を操る――というよりも、作業療法的に言えば環境設定をしていく、ということです。

学生時代を思い出してみてください。

レクリエーションやアクティビティのネタは良かったはずなのに、なんだか上手くいかない。

ゲームを提供したけれど、相手が楽しめていない、盛り上がらない。

集団レクの場が暖まらない、レスポンスが薄い。

そんな経験がありませんでしたか?

あの時、あるいは今、どうするべきなのか、少し考えてみましょう。


■重要なキーワード

先程も出しましたが、空気を作る――場を作るというのが、今回のキーワードになりそうですね。

そろそろ死語になりつつあるのかわかりませんが、一世を風靡したKYという言葉がありますね。

空気が読めないでKY。

でも、アナタが今まで使ってきた空気を読む力というのは、ほとんどが仲間同士での馴れ合いの中でしかなかったのではないでしょうか?

お互いに傷つかない距離を保つ為……的な?

確かにそれもまぁ、大切なのでしょうが、作業療法的には、いやさセラピスト的には、空気を読んで引き下がるのではなく、自らが治療効果として期待する場の雰囲気であるとか、相手の望む、また相手に合わせた雰囲気を意図的に作り出すことが必要と考えます。

ですので、先程はざっくりと環境設定と馴染みのある言葉にしてしまったんですね。

とはいえ、その大切さというものを学生の時にはよく分かっていなかったような気もします。

レクリエーションやアクティビティ、治療的なプログラムを行うという行為にばかり意識が向いていて、受け手が存在するという事に気付くのが、直接その受け手である利用者様、患者様に触れる段になって初めてなんですね。

どうも手技的な、ごくごく表面的な部分ばかりを沢山知っていて、現場で使えないという事態になる人の多さというものがこの辺からきているのでしょうね。

何事をするにしても、期待した効果を求める為の場の空気を作ること、目に見えないだけにより気を配る必要があります。

そうしたことができてはじめてエア・マスターになれるのかもしれませんね。


■ノウハウをちょっと

うん、ノウハウなんてもの、あるんでしょうかねぇ。

空気が読めない学生さんは八週間指導しても全く変わりなかったし……

空気を作ることに対しての認識の問題なのかもしれませんね。

まずは、近づかない為の空気を読むのではなく、もう一歩先の、自分が今何を求められているかの空気を読み、それをできるだけの知識や認識をもつこと。

そんなことが必要なのかもしれませんね。

そうやって、ようやく空気を知る、空気が見えるようになってくると思います。

そうしたら、こんどはそれを真似して空気を作ってみたら良いんじゃないでしょうか。

と、いうことで、はじめの一歩は先輩を追い回して、先輩が作り出している空気を見る、ですね。

実践してみてくださいね。



学生さんの出している危機感の無いスローリィな空気に、ここ最近イラッとしている齋藤の四方山話でございました。



「作業療法塾塾長」齋藤 信

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