CROSS-POINT(17)
「ぼ……僕は、何も……」
(やれやれ、ここではそんな肉体的な暴力に意味はないよ。それに、ナインは知っているのではないよ。考 えるんだ。そして、ここで見聞きし、自ら体験したこと、その肉体に、その細胞一つ一つに記録された別な世界、別な歴史、別な時間との接触が、自分の本来在 るべき処に還った時に役に立つ――そろそろ――そろそろ、君の話を聞かせてよ、トゥー)
何もなかったかのように、スリーは椅子に腰掛けなおし、軽快にキーボードを叩き出した。先ほどと違っていたのは、文面と同じく弾き出される音に穏やかなそれが混じっていたことかもしれない。
それを感じてか、それともスリーのいった意味を解してかはわからないが、トゥーは再びソファーにどかりと腰をおろし、忌々しげなわななきを肩でしながら押し黙った。ただ、一言だけを残して。
「続けろ……」
はいはい。そうだね、僕自身もそれは知りたいところだ。
僕はどんな役目があってここにいるのだろう。
それが知りたい――
(つづく)
アルファポリスの
『第二回ファンタジー小説大賞』
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